やる気がなくなった男の結末
ある日の事、1人の男がやる気に燃えていた。
その男は1時期、全くやる気がなくなり、なかば鬱うつのような状態になっていた。
しかしこれではいけないと奮起した。
「俺は今度こそやり遂げてやる!」とやる気を振り絞り、遂に行動を起こすことにした。
男にとっては、藁をもすがる思いだった。
そこへ、そのやる気をみた神が現れ
「おお~良い心がけだ、どんどん応援してやろう」とその男へ、やる気のエネルギーを分け与えた。
その結果…
男はますますやる気を出して、行動を繰り返していった。
それから、しばらく時間がたったある日の事。
ほどなくして、その男は身が持たなくなり、心がまるで飲み干したペットボトルのように
空っぽになってしまい、虚無感に襲われてしまった。
神は言った。
「なんだ、情けないのう。せっかく私の炎の力で、やる気に火をつけてあげたのに、これではどうしようもないわい。」
神は火の神だったのだ。
そして、それからというもの、男は何に対してもやる気がなくなった。
こうして、神の応援も虚しく、そのやる気は、ほんの一時の効果だけで終わりを告げた…
かに見えた。
男のその状態を見た火の神も、男を気の毒に思い、自分の責任も感じたことで、親友の水の神に頼むことにした。
水の神は、火の神の頼みを聞くと「分かった。やってみよう。」と答えた。
早速水の神は、その男にエネルギーを分け与えた。
するとその男は、水を得た魚のように、再びやる気になった。
「よし。今度は落ち着いていこう。」
それからというもの、水の神のお陰で、男は長期に渡りやる気を継続できたので、結果を出せるようになり、目的を達成し幸せに暮らした…
かのように見えた。
その時、あの火の神と水の神の声が聞こえた。
「よしよし、1時はどうなるかと思ったが、これで上手くいったぞ。しめしめ…」
「うむ。あの男もこれで、永遠にお金をお布施してくれることだろう。」
火の神と水の神は、ある教団の守り神だったのだ。
「今日もありがとうございます。感謝して1日過ごします。」
男はニコニコしながら、明日もやる気を出して行動していくのであった。