恨み、妬み、嫉妬の感情
A子は憧れをいだいていた。
自分以外の全ての人は、自分より優れていて、恵まれているように見えていた。
ある日の学校からの帰り道。
空は晴れ渡っていたが、羨ましいと思っていた気持ちが、知らずしらず、腹立たしい気持ちに変わっていたことに気づいた。
嫌なことに直面する度に「どいつも、こいつも、幸せそうな顔をしやがって、死んでしまえばいいのに!」「お前らは死に値する」と言いながら「でもあなただけは別よ」と、友達のB子だけには、いつも熱く語っていた。
するとそんなA子を見かねて、友達のB子が言った。
「そんなに人を見下していてばかりいちゃダメだよ。」
A子はB子の言葉で、ある事に気がついた。
「え!私見下しているの?違うよ、みんなが私を見下しているのよ。」
「…そっか。」
「でもよく考えてみたら、私がみんなを見下していたんだ。」
すると追い打ちをかけるようにB子は言った。
「そうよ。あなたって最低な人ね!」
A子は、それを聞いて言い返した。
「あなたこそ、人を見下しているんじゃないの?」
すると、B子は胸の内を告白した。
「実はそうなの、ずっとA子のことを羨ましく思っていたの。あんなにはっきりと情熱を込めて言えるなんて、なんて羨ましい…って」
これを聞いたA子は、B子こそ親友だと思いB子に言った。
「そうだったんだ。私嬉しい。そうね共通の価値観って大事よね。」
B子もそれに同意した。
「そうよ。私、これからもあなたのようになれるよう頑張る。いつか世の中を見返してやろうね!これからもよろしく!」
A子とB子の友情は、更に深められたのだった。